これからが本当の成長期。商品開発力を武器にオリジンブランドを今こそ世界へ

オリジン東秀 代表取締役社長 沢村 弘也

代表取締役社長沢村 弘也

背水の陣で生まれた
オリジンスタイル

オリジン東秀は中華業態のレストランから始まった会社です。その後、持ち帰りの弁当事業に着手しましたが、コンビニエンスストアの台頭により売上が大幅にダウンし閉店を余儀なくされた店もありました。今までと同じことをしていては立ち行かない状況の中で生まれたのが、惣菜やサラダを並べて量り売りをするというアイデアです。売場を併設すると、コンビニエンスストアとの差別化に成功。近隣の会社で働く女性が多数来店するようになり、オリジン弁当の躍進が始まりました。1994年(創業から28年目)のことです。
私が入社した当時は、売上1000億企業を目指すという大きな目標を掲げ、年間100名の採用を行う、勢いのある時期でした。営業力を期待されての入社でしたが、店を知らずに営業はできません。まずは1ヶ月間、東京の武蔵境店で働き、オリジンのセールスポイントである店内調理・直前調理の技術を習得。最終日に「沢村さん、おにぎり、惣菜、サラダを全品作ってください」と言われ、それをなんとかクリアして営業の最前線に立つことができました。

会社を揺るがす一大事が、
一転好機に

振り返ると2001年から2003年は、オリジン東秀にとって出店ラッシュの時期でした。1都3県での新店オープン目標が、年間100件です。新店オープンの責任者として、店舗ごとのレイアウトを考え、人を雇用して研修する、など尋常ではない大変さを心底味わいましたが、新店をオープンするたびに地域の皆さまから「いい店ができたね」「こんな店が欲しかった」などと笑顔で喜びの声をかけていただきました。その言葉に疲れも吹っ飛び、「よし、また頑張ろう」という気持ちになったのを覚えています。オリジン東秀には「家庭の台所代行業」という言葉がありますが、まさしく「食」で地域や社会に貢献していることを実感できる毎日でした。その結果、3年連続で100件以上の出店を果たして売上も右肩上がり。2005年には東証2部に上場しましたが、TOBによる危機をきっかけに、2006年よりイオングループの一員になりました。これが大きな転換点となりました。それまでは100%路面店でしたが、イオングループのスーパー内でオリジンの惣菜を販売する事業に乗り出すことになったのです。

オリジン東秀 代表取締役社長 沢村 弘也

イオンとのコラボで、
マーケットが関東から全国へ拡大

イオンとのコラボ事業を一任された私は、単身で大阪に乗り込みました。きっかけは近畿エリアにコンセショナリー(大型店舗の売場を借りて専門店が出店すること)で出店することでしたが、関東以外での出店は初めてだったので、活動の拠点となる路面店を作る必要がありました。「オリジン」の名がどこまで知られているのか不安でしたが、近畿1号店(茨木市)のオープンには店の前にテレビカメラがずらりと並び、連日、オリジン渋滞ができるほどの賑わいを見せました。改めてイオンとのシナジー効果で、スーパー売り場でも成功できるという気持ちを強く持ちました。
近畿1号店の20日後にイオンスーパー内の売り場がオープンしましたが、それまでの心配は杞憂に終わりました。毎日のように手作りおにぎりが1000個以上売れるのです。私もそこで働く人たちにおにぎりの作り方を指導し、自分も店頭に立っておにぎりを握りました。入社当初に「手作りおにぎりを核商品にしよう。役員が握れば店の人たちもついて来るから率先して握れ」と、当時の社長に言われたことがきっかけですが、この時ほど握るのが楽しく、「おにぎりが核商品になる」と実感したことはありません。惣菜やサラダを1g単位・均一価格で購入できるオリジンスタイルも、瞬く間に受け入れられました。それを自信に、青森から鹿児島まで43都府県で出店を続けて、イオンとのコラボ事業は10年あまりで大きく成長しました。2006年まではすべてが路面店でしたが、現在では810拠点のうち路面店が500拠点、スーパー内が310拠点と変貌を遂げています。

創業から50年あまり。
今こそ未来への足がかりを築く時

オリジン東秀には「中食」のリーディングカンパニーとして胸を張れるだけのさまざまな強みがあります。1g単位・均一価格での量り売りという独自のスタイルはもちろんのこと、自社農場、自社工場を持つ自社生産により、安心・安全な食材で商品を提供できます。店舗で直に受け取ったお客さまの声やニーズも、スピード感をもって商品に反映できます。さらに月に2度、新商品を生み出す商品開発力は、オリジンが誇る優位性であり、競争を勝ち抜く大きな力となっています。多くの案件に関わるうちにスーパーの規模や条件に応じて柔軟に提案する力がつき、今では地域スーパーからの相談や引き合いも増えています。今後も自社生産を支える農場や工場の充実を図りながら、オリジン独自のスタイルを大切にブランド力の向上に努めて、直営店の拠点拡大を促進していきます。
具体的施策としては、既存の直営店は関東と近畿エリアだけなので、まだまだ開拓の余地があります。イオングループとのシナジー効果で、これまで以上の店舗数拡大を図るとともに、若い人たちの感性や発想力により、未来への足がかりとなる、これまでにない新業態のブランドを創出し、育てていくことも必須だと考えています。
時代は平成から令和へ。私たちは令和を「O和」(オリジン東秀の和の経営)と解釈して、社員一人ひとりが目標を持って働きがいを実感できる組織づくりを行い、総合力で勝負する企業を目指します。国内にとどまらず、海外にも販路を求めてチャレンジできるアグレッシブな企業を創れたら、こんなに幸せなことはありません。